
外見力では色が重要なポイントになる。
「色には進出色、後退色、嗜好色などあり、人を動かす感情効果があります。“サクセスカラー診断”でまずその方の肌、目、髪の色に合ったカラーグループ(パーソナルカラー)を診断し、さらにその中から最も似合う色、サクセスカラーを見つけていきます」。好きな色と似合う色は必ずしも同じではない。サクセスカラーとは、新たな自分を見つけ、チャンスを掴むためのカラーなのだと大森さんはいう。
サクセスカラー診断は、服の色をケープで隠して顔の輪郭をはっきりさせた状態で、120色のテストドレープを順にあてていく。ピンクひとつにしても、鮮やかなコーラルピンクと落ち着いた桜色では、布をあてたときの表情が明るかったり、暗かったりとイメージが変わる。
「生き生きと若く見えるのは似合う色です。一方、色ばかり浮き立ってしまうのは似合っていない証拠。“ネクタイ素敵ですね”と真っ先に言われるようでは、ネクタイの色がお顔の個性を奪っています」
診断が終わると、4つのグループから自分に一番合ったカラーグループのチャートが渡される。
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営業マン、外資系エグゼクティブ、政治家、経営コンサルタント、コメンテイター、主婦。さまざまな人が大森メソッドを訪れては、「クライアントとスムーズな会話がしたい」「部下が相談してくれる上司になりたい」「明日のテレビ出演で自分をアピールしたい」と、“なりたい自分”を大森ひとみさんに相談する。「ビジネスを成功に導くには、自分の魅力や目的を100%表現しなくてはなりません。人の印象の93%は、服装や話し方など“見た目”から受けるといわれています。どんな自分になりたいのかをイメージし、その93%部分をアドバイスします」と話す。
大森さんは、アメリカのAICI国際イメージコンサルタント協会(NPO)から、日本で唯一のプロフェッショナルメンバーに認定されている上級イメージコンサルタント。ニクソンとケネディの大統領候補によるテレビ討論会(60年)で、髭が伸びて疲れた表情のニクソンが、コンサルタントをつけてパワフルに見えたケネディに敗れたように、「見た目が持つ力=“外見力”こそ重要なコミュニケーションスキル」だという。
企業の監査役に選ばれた女性弁護士が、株主総会での服装を相談したときは、「その会社は、初の女性役員であることを株主に知らせたかったのです。ですから、 優秀なビジネスパーソンをアピールしながら女性らしさを感じさせるコーディネイト にしました」。また、営業成績が振るわず年棒の50%カットを勧告された外資系社員には、「おしゃれな方でしたが見た目が若かったのです。髪をカットし、スーツやカバンを変え、メガネもかけて隙のないビジネスマンに変身していただきました。チャームポイントだった八重歯も、幼く見えたので矯正をおすすめしました」という。彼はその後クライアントを増やすことに成功し、400万円の年棒アップとなった。
「自分のスタイルに確信が持てなければ、迷いが生じて自信がなくなります。“この外見なら成功する”という自信を売るのが私の仕事です」

「チャートに掲載された40色の中でも、部分使いすべき色と全身にまとったほうがいい色があります。また、穏やかに見せたいのか力強く見せたいのかでも変わってきます」。パーソナルカラーはなりたい自分に近づくための入り口。そこから先は、数万人もの大手企業のビジネスパーソンを指導してきた大森さんが、経験を生かしてコーディネイトしていく。その幅は、服装、小物、髪型、会話、スピーチ、立ち居振る舞い、ビジネスマナー、エスコートマナー、食事の作法、茶の湯、ワインの知識などとても広い。
「私が就職した当時、中身を磨くコミュニケーショントレーニングは豊富でしたが、外見に関する教えはほとんどありませんでした」。大学を卒業して勤めた日産自動車での仕事はPRのプロフェッショナル。自身を通してお客様に信頼感と説得力を与えるためのトレーニングは日々叩き込まれたが、「外見力」という考え方はまだなかったという。
「欧米と比べて日本のエグゼクティブが見劣りすることも私には疑問でした。やがて中身だけでは伝わらないことがあると気づき、100%で戦うためには服装や身振り、声のメリハリが大切なのだと」。
1990年に自身の会社を設立して以来、大手企業や商工会議所、官公庁で数多くの社員研修を行い、やがてイメージコンサルティングも手がけるようになった。「自分の価値を高めていくには、相手が何を求めているかマーケティングし、成功した姿をイメージしなくてはなりません。それは自己満足ではなく顧客満足。相手に選ばれる自分を作っていかなくてはビジネスは成功しない。多くの方がご自身のステージや環境が変わるとき、ここにいらっしゃいます」
text:小田島千絵
photo:片山よしお
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